「研修の前の緊張感をほぐしたい」
「会議の堅い雰囲気をなんとかしたい」
そんなことを思ったことはありませんか?
1対1の場では、雑談などで空気を和らげることができます。しかし、複数人参加する会議や、普段一緒にいないメンバーが集まる研修では、全員が参加できるゲーム形式にするなどの工夫が必要です。
そんなときにおすすめなのがアイスブレイクのためのゲームです。
この記事では、以下のことを解説しています!
- アイスブレイクのゲームを実施する時のポイント
- いろんな場面に使えるアイスブレイクのネタ
会議や研修で使えるネタを探している方は、ぜひ最後までお読みください。
Contents
アイスブレイクとは?
そもそもアイスブレイクとは、研修や会議、面接などの前に実施するゲームや雑談のことです。改まった場や初対面の人がいる場では、参加者が緊張して空気が固くなることがあります。そんな固い空気を氷に見立て、氷を溶かすようなアクションをする意味で「アイスブレイク」と呼ばれています。
参加者がリラックスしたり、参加者同士の関わりが生まれたりすることを目的に、会議や研修の場でアイスブレイクが取り入れられています。
アイスブレイクのメリット
具体的に、アイスブレイクにはどんなメリットがあるのでしょうか。ひとつずつみていきましょう。
緊張感がほぐれ、リラックスして臨める
会議や研修の最初は、「誰から話せばいいかな?」と周りを見回したり、初対面の人ばかりで居心地が悪かったりと、緊張感が生まれやすい環境です。
もし、この緊張感を引きずったまま進めてしまうと、参加者が萎縮して本来のパフォーマンスが発揮されにくい状況が生まれます。
アイスブレイクで最初の緊張感をほぐすことで、参加者はリラックスして参加できます。活発な発言や交流につながり、参加者の満足度も上がるでしょう。
声を出すきっかけができる
アイスブレイクをきっかけに、参加者は声を出せます。
会議や研修では、進行役の人がメインで話す場合も多いです。すると、参加者は最初の時間は黙っていることになります。数十分黙った後にする発言は、いつもよりハードルが高くなることが想像しやすいでしょう。
アイスブレイクであらかじめ声を出しておくことで、会議や研修での発言のハードルを下げられます。
自己紹介につながり、親近感が生まれる
初対面の人が多い場では、隣の人がどんな人かわからず緊張感が高まります。そんなときは、自己紹介につながるようなアイスブレイクがおすすめです。
自分がどんな人なのかを紹介できることはもちろん、周りがどんな人かわかったり、場の雰囲気も感じたりすることができます。
自分と共通点のある人や興味が湧く人がいたら、親近感も生まれます。その後の会議や研修が盛り上がることにもつながるでしょう。
会議や研修へのコミットが高くなる
アイスブレイクには、その場に参加する「チェックイン」の機能もあります。
参加者の意識が直前までやっていた仕事や研修に向いている場合がありますよね。そんなとき、アイスブレイクを通して目の前の参加者と関わったり話を聞いたりすることで、意識をこの場に向けることができます。
結果的に、会議や研修へのコミットが高まっていくでしょう。
アイスブレイクを実施する時のポイント
たくさんのメリットがあるアイスブレイクですが、実施する時はどんなことをポイントにしたらよいのでしょうか。
日々、体験型の研修を実施しているファシリテーターの視点から、解説してみたいと思います。
主催者が緊張しない
アイスブレイクの目的は、場の緊張感をほぐすことです。そのときに、主催している人が緊張していると、緊張感が参加者やその場に移ってしまい充分な効果が得られません。
アイスブレイクでは主催者が一番楽しむことを意識して取り組んでください。
しかし、「緊張しないで」と言われてできたら苦労しませんよね。そんなときは、「緊張しています」と参加者の前で明言することをおすすめします。
明言することで、周りがサポートしようと前のめりになってくれるかもしれません。また、自分の状態を表現して外に出すことは、気持ちを楽にする効果があります。
自分がリラックスするためにも、ぜひ、口に出して表現してみてください!
やり方の説明をする時、参加者を巻き込む
雑談ではなくゲーム性のあるアイスブレイクをやる場合は、ルールの説明が必要です。そのとき、自分ひとりではなく参加者の誰かにも手伝ってもらいましょう。
たとえば、下記のような説明をするとします。
自分「私がりんごと言ったら、別の人は赤とか果物とかが連想されると思います。」
これを、参加者に手伝ってもらうと下記のようなやり取りになります。
自分「私がりんごと言ったら何を思い浮かべますか?」
参加者「赤い、かな?」
このように、1人で説明すると主催者だけが話してしまう時間になりますが、参加者が手伝ってくれることで会話になりリズム感が生まれます。また、明確にやってくれる相手がいることで、自分の説明が伝わったかの確認にもなります。
できるだけその場にいる人にお願いをして、協力してもらいましょう。
一番偉い人に一番初めにやってもらう
ゲーム性のあるものは、やることにハードルがある場合があります。そのときには、場で一番偉い人に最初にやってもらいましょう。
場で一番偉い人がやることで、参加者は「あの人がやったなら、やってみよう」という気持ちになります。また、場の緊張感を偉い人が作っている場合もあるので、緊張感をほぐすことにも効果的です。
会議や研修が始まる前に本人にお願いしておくことで、当日もスムーズに進むでしょう。
正しいやり方に固執しない
アイスブレイクを実際にやってみると、その場の人のアイデアでルールが変わったり、難しいルールを簡易的にせざるを得なくなったりすることが多々あります。そのとき、やり方に固執してしまうとぎこちなくなってしまいます。
アイスブレイクの目的は緊張感をほぐし、参加者のコミットメントを高めることです。当初の目的を全うできるように、ルールに縛られずに柔軟に対応していこうとする心の余裕が重要です。
初めましてに最適!自己紹介に繋がるアイスブレイク
ここからは、実際に使えるアイスブレイクを紹介していきます。
まずは、研修や事業所間を跨ぐ会議のときなど、参加者同士が初対面の場合に使えるものです。
私のこと知っている人は知っているんですけど
自分のことを紹介するゲームです。紹介の前に枕詞をつけることで、考える余白がなくなり、自分でも思いがけない内容が出てくる仕掛けになっています。
やり方:自分のことを紹介する前に「私のこと知っている人は知っているんですけど」とつけます。
例:私のこと知っている人は知っているんですけど、静岡県出身です。私のこと知っている人は知っているんですけど、ソフトボール部に所属していました。私のこと知っている人は知っているんですけど、高校ではバスケをやっていました。
時間:1人45秒〜1分。主催者が時計などで測っておきます。
実施形態:オンライン / 対面
ポイント:何をいうか考える余白がなくなるよう、間を空けずに声を出し続けましょう。
ネームチェーン
全員の名前を使ったゲームです。くりかえし名前が呼ばれることで覚えやすくなるうえ、全員で達成した感覚も得られます。
やり方:参加者全員でひとつの円を作ります。
1番最初の人を決め、「〇〇です」と名前を伝えてください。次に、隣の人が「〇〇さんの隣の〇〇です。」といいます。さらに隣の人は「〇〇さんの隣の〇〇さんの隣の〇〇です」と紹介します。名前を忘れてしまった場合は、「名前を教えてください」と本人に伝え教えてもらいましょう。
時間:20人で20分程度
実施形態:対面
地図作りゲーム
身体を動かしながら、自己開示に繋がるゲームです。ゲーム中も他の人と交流が必要な場面があるので、話しかけたりかけられたりすることに繋がります。
やり方:会場の端を北海道に、反対の端を沖縄に見立てます。
参加者は、自分の出身地の辺りを探して立ってください。同じ都道府県出身の人がいた場合はまとまって立ちましょう。ある程度まとまったと感じたら、主催者はまとまりごとに出身地を聞きます。
時間:20人で15分程度
実施形態:対面
仲間探しゲーム
共通点を探していくゲームです。自分から発言したり相手に聞いたりする行動も必要なので、場へのコミット度や主体性を発揮することにも繋がります。
やり方:主催者が、答えの複数あるお題を出します。(例:好きな中華料理、学生時代入っていた部活、など)参加者は自分が該当するものを言いながら、同じ答えの人を探してチームにってください。時間が来たらその場に座り、主催者がチームごとに答えを聞いていきます。
時間:最初のお題は60秒。徐々に10秒ごと短くしてスリルを高めていく。
1つのお題で5分程度
実施形態:対面
バースデーライン
参加者ひとりひとりが、直接交流する機会を生むことができるゲームです。全員でクリアする性質から、達成感も生まれやすいです。
やり方:参加者全員で1列かひとつの輪を作ります。一番端を1月1日とし、誕生日順に並び変えます。並び替える時は、場所を飛び越えず移動せず、必ず隣の人に聞いて横に移動していくようにしましょう。完成したと感じたら、主催者の人が端から誕生日を聞いてください。
時間:20人で15分程度
実施形態:対面
不安を表現するグーチョキパー
初対面が多い研修の一番初めに実施すると効果的なアイスブレイクです。研修の前に、今自分がどれくらい不安を感じているのか、または楽しみにしているのかを観察し表現していきます。自分の状態を表現で外に出すことで、軽減されたり扱えるようになったりします。
やり方:研修に対して、自分がとても不安だと感じている人は「ぐー」。楽しみな気持ちの人は「パー」。楽しみと不安が半々くらいの人は「チョキ」を、主催者の合図に合わせて出します。出した後は、周りの人をみて様子を確認しましょう。
時間:2分
実施形態:オンライン / 対面
会議の前にやろう!短時間でできる簡単なアイスブレイク
続いては、短時間でできるアイスブレイクです。会議の前などに取り入れることもできる簡単なものなので、ぜひ明日から取り入れてみてください。
元気度チェック
自身の心と身体の元気度を確認して伝えるアイスブレイクです。参加者の様子を確認することにもつながりますし、毎回伝える内容が違うので、定期的に実施する会議にも取り入れやすいです。
やり方:自分の心と身体の元気度を確認し、1〜5の中から適する数字を決めます。(1:元気がない・5:すごく元気)主催者の合図で、参加者が一斉に指でだします。ひとりずつ、どうしてその数字にしたのかを説明してください。
時間:1人1分程度
実施形態:オンライン / 対面
カウントアップ
参加者が周りの様子を見て、息を合わせながら数字を数えていくゲームです。観察力と集中力を要するため、場へのコミットが高くなります。参加者でひとつの目標に向かって活動するので、チーム感も増す効果があります。
やり方:参加者全員で、1から21まで順番に数えます。数字をいう人は決まっておらず、ランダムに声を出しましょう。途中で2人や3人で同じ数字をいってしまった場合は、1に戻ります。
時間:8人で5分程度。5分経ってもクリアしなかったら終わらせます。
実施形態:オンライン / 対面
ふたりでいちにさん
2人組で行うゲームです。失敗することが前提に作られており、うまくいかなくても面白いと感じ合える空気を作れます。
やり方:2人で順番に「いち・に・さん」と数えます(例:1人目「いち」2人目「に」1人目「さん」2人目「いち」1人目「に」2人目「さん」)。慣れてきたら徐々にスピードをアップさせてください。
ポイント:失敗した時は、落ち込まず笑って楽しむことを意識しましょう。
時間:5分程度
実施形態:対面 / オンライン(2人が個別のグループにできれば実施可能)
チームで協力!時間をかけてじっくり取り組む体験型ワーク
最後に、アイスブレイクとしては少し時間がかかりますが、緊張感をほぐしたり、親近感につながったりするワークを紹介します。
鬼から守れ!椅子取りゲーム
子どもの頃に学校で行った椅子取りゲームとは別です。空間に配置した椅子を鬼から取られないように協力していくゲームです。クリアまでの難易度の高さから、大人でも白熱する場面が多々あります。いざという時にどんな行動をとるのか、参加者の人柄もよく見えてきます。
やり方:空間に人数分の椅子をバラバラに配置します。鬼を1人選び、座っていた椅子を残して遠いところに立ってください。鬼は空いている椅子に座るために歩き出し、座っている他の参加者は空いている椅子に座られないように椅子を移動して守ります。
ポイント:椅子が座られてしまったら、参加者が作戦会議をする時間を作ってみるのも面白いです。
時間:45分程度
実施形態:対面
ワンワード
1人一言しか話せないというルールの中で、ひとつの話を作っていくゲームです。思いがけないワードが飛んできたり、よくわからなくなったりする中で、協力をしていくマインドを育みます。
やり方:2人〜6人で1チームになります。ひとり一言で言葉を順番に回していきましょう。(例:今日/私は/学校に/いきました)ひとつの物語にすることを目指します。うまくいかなかったり、わからなくなったら「もう一回!」と宣言し、最初からやり直してください。
時間:30分〜45分程度
実施形態:オンライン / 対面
私は木です
参加者ひとりひとりの発想を生かしていくワークです。自分の普通が他の人にとってはユニークになるなど、それぞれの個性を見出していくことにつながります。
やり方:3人〜8人程度で1チームになります。1チームで1枚の写真を作るイメージで行ってください。最初の人が「私は木です」といいながら身体で木のポーズをとります。次の人が木の周りにありそうなもののポーズを取りながら、「私は〇〇です」といって近くにいきます。チームの全員がポーズをとったら、1番初めに木になった人が、残りの人の中から次の1番を決めてください。次の1番になった人は、「私は〇〇です」と言いながら、次の写真作りを始めます。
例:①:1人目・②:2人目・③:3人目
①「私は木です」木のポーズをとる。
②「私はりんごです」木のポーズをとった人の下にりんごのポーズをとって座る。
③「私はりんごを拾おうとしている人です」りんごの近くで取る人のポーズをとって止まる。
①「私はりんごを残します」①③はポーズをやめる
②「私はりんごです」
時間:1回15分程度。ふりかえりをして2回〜3回やることも可能です。
実施形態:オンライン / 対面
天使と悪魔
天使と悪魔になって、葛藤する人の心を揺さぶる言葉を投げかけるゲームです。普段はできない悪魔としての提案をすることで、遊び心が生まれます。
やり方:3人で1組になります。天使・悪魔・人間の3役を決めてください。人間は2択で悩んでいることを決めます。(例:財布を拾ったけどもらっちゃうか交番に届けるかなど。)天使役と悪魔役は交互に、人間役に対して主張を行っていきます。3ターンほど実施したら、人間役がどっちの提案に乗るのかを決めて宣言してください。
時間:10分程度
実施形態:オンライン / 対面
解決社長
無理難題に対してもポジティブに返していくゲームです。困っていても「ちょうどいい!」といってみることで見えてくる世界を体験します。
やり方:社長役1人と従業員役に分かれます。従業員役の人は「社長大変です」と言いながら、自分が考えたトラブルを報告してください。社長は「それはちょうどいい」という言葉に続けて解決策を従業員に伝えます。従業員は「さすが社長!」と褒めて次の従業員と交代してください。
時間:10分程度
実施形態:オンライン / 対面
プレゼントゲーム
チームで一緒にやることと、正直なフィードバックを伝え合うことを体感できるゲームです。架空の設定から「嬉しい!」「ありがとう!」という本物の感情が生まれます。
やり方:2人組になります。片方がもうひとりに架空のプレゼントを渡してください。物理的な制限がないので、どんなものをあげてもよいです。もらった人は、嬉しかったら「ありがとう!」と受け取りましょう。そこまで嬉しくないものであったら、高い声で「ノン!」といい横に置きます。5個程度贈ったら役割を入れ替えましょう。
ポイント:嬉しくないものであったときは、正直に、ただし相手を傷つけないようにライトにフィードバックします。
時間:20分程度
実施形態:オンライン / 対面
名前を呼ぶゲーム
全力で大きな声を出して相手の名前を呼ぶゲームです。大人になってから、大きな声を出すことや名前を呼んでもらう機会が少なくなります。久しぶりに声を出してすっきりとした気持ちになったと感想をもらうゲームです。
やり方:2人組になり、AとBを決めます。Aの人達が部屋の端に一列に並び、Bの人がその反対側の部屋の端に一列に向かい合って並んでください。Aの人は目を瞑り、Bは場所をシャッフルします。BはAの名前を全力で叫び、Aは目を瞑ったままBの声がする方に向かって歩きます。AがBのところに辿り着いたら、役割を交代しましょう。
ポイント:研修に参加している人全員で一斉にやります。主催者は歩く人がぶつからないようにフォローに入ってください。
時間:20分程度
実施形態:対面
研修・会議の前はアイスブレイクで場をほぐそう
アイスブレイクといっても、それを通してチームワーク向上を目指したり、自己開示につながったりと、副次的な効果を持たせることも可能です。
特に、ゲーム性のあるワークでは、ひとつの目標に一緒に挑戦するという構図が作れます。
会議や研修の場をほぐしながら、チームビルディングにも通じるアイスブレイクを、ぜひ取り入れてみてください。