こんにちは、株式会社フィアレスCCOの下村理愛です。
6月26日(土)10:00-12:00に、組織をより良くしたい人のためのインプロ体験ワークショップを行いました。今回は11名の方にご参加いただきました。
今回のテーマは『心理的安全性 〜恐れなく表現できる組織になる〜』です。
心理的安全性とは「みんなが気兼ねなく意見を述べることができ、自分らしくいられる文化」のことを指します。Googleの「効果的なチームとは何か」の研究において、成果を生み出す最も重要な因子として突き止められたことから有名になりました。
心理的安全性を考える上で重要になるのは「組織の恐れ」です。心理的安全性研究の第一人者であるエイミー・C・エドモンドソンは、心理的安全性が低い場では「無知」「無能」「否定的」「邪魔」と思われる不安があると述べています。
今回のワークショップでは、①自分が持っている表現への恐れに気づく②その恐れを全員で手放していく、という体験を通して、心理的安全性を「理解する」だけではなく、「体験する」ことを目指しました。
実施内容
インプロと恐れについての話
最初は即興でお話を作る「ストーリースパイン」というミニワークを行いました。その後、インプロと恐れについての説明を行いました。
私たちは日々、人間関係において以下のような「恐れ」を感じています。
評価への恐れ:どう思われてるんだろう……
未知への恐れ:この先どうなるんだろう……
失敗への恐れ:失敗したらどうしよう……
対立への恐れ:まわりと違ったらどうしよう……
これらの恐れに気づいて、手放していくこと。そうすることで自分が本来持っている能力や魅力を発揮できること。そして、インプロはそのお手伝いができることをお伝えしました。
ワークと振り返り
ではそんなインプロのワークをいくつか体験してみよう!ということで、3つのワークをふりかえりや解説を挟みながら行いました。
ワーク1:マジックボックス(評価に対する恐れを可視化する)
3人1組で行います。
順番に空想の箱から色んなものを取り出していくシンプルなワークです。1回目は普通に取り出します。2回目は「評価されるもの」を取り出します。そうすることでアイデアをジャッジしたり自然と思いついたアイデアをチェックしてから出す「検閲」が強まることを体感します。
ここでは、検閲されやすいアイデア(下図)があること、そしてその検閲には相手に対する思いやりから来るものと、自分を守りたい恐れことから来るものがあることを確認しました。
検閲が恐れから来るなら、その恐れに気づいて取り除いていけるといい。でも、それを1人でやるのではなく、みんなでやろう。みんなで手放すためには、「勇気のループ」を回していくことが大切だよね、という話をしたうえで、スリーシングスというワークを行いました。
ワーク2:スリーシングス(検閲を外し、Spontaneousに表現する)
3-4人一組で行います。
全員:スリーシングス!(Three things!)
A:「(お題)赤い食べ物」
B:りんご・さくらんぼ・赤身の肉
全員:(再び)スリーシングス!
というように、お題に対して次の人が3つの答えを言って回していきます。
ここで大切なのは、Spontaneous=自然発生的であることです。これは検閲せずにアイデアを出している状態、自分で自分のアイデアに驚くような状態です。それぞれが自分の検閲を手放してアイデアを出すチャレンジをしました。
ワーク3:インプロ大喜利(自然にやってくるものを楽しむ)
「こんな〇〇はいやだ」というお題に対して、思いついていなくても手を挙げて、発表していきます。事前に準備をして発表をしていくのではなく、当てられた時に自分に降りてきたアイデアを答えるワークです。
この日の参加者はとても積極的&すでにチーム感がつくられていたので、最後はインプロ大喜利にもチャレンジしました。最後のお題で当てられて、「いや~思いつかない!」と満面の笑みで言っている参加者の方が印象的でした。
「思いつかない」ということも表現できる場所こそ、評価への恐れ(無知と思われる恐れ)が無い、心理的安全な場所だと私たちは考えています。
※アイデアが出しやすくなるにはファシリテーター(大喜利でいう司会者役)のあり方も大きく関係するのですが、これについて話すと長くなるのでまた別の機会に…!
参加者の感想
ワークショップ参加者のみなさんのご感想を紹介します!
本日の満足度と理由
・4:会は楽しかったけれど、自分のアウトプットがイマイチだったので…
・5:心の中で感じていた不安や恐れを可視化できるツールを学べました。まずは、個人、私がこれをマスターしたいと思いました。
・4:組織で陥りがちなパターンなどを知ることができたし、改めて自分の中に躊躇するものがあると気づけたから。
・5:プログラムの進行とファシリテーションが、心理的安全性を保証し、無理なく徐々に参加度を上げられるように工夫されていると感じました。
・5:恐れに気づいて手放す、を軸にインプロが体感できた。初めての人でも取り組みやすく楽しい設計になっていた
・4: 参加者の皆さんと楽しい時間が過ごせたこと、楽しくもっていく導き方
・5 :自分のことを知れたし、課題も見つかった&インプロの必要性を再確認した!
今回のワークショップを体験する前と後でインプロに対する印象はどのように変わりましたか。
・やっぱり楽しいなと、再認識
・受講前は、インプロと聞いたことはあったものの、それが何か知りませんでした。受講後、その印象は、活動から理論に落とし込んでいくような動きがある楽しい活動であると体験でき、今後も学んでいきたいと思いました。
・現在インプロアカデミーの英語インプロクラスを受けていて、これが会社などの組織に広がっていったら面白いと思い申し込みました。今日のワークショップでは組織やグループの中で心理的安全性をどう作り上げていけば良いのかの糸口が見えた気がしました。
・”「即興性とアイデアの自由度、クオリティなどを求められる」→「自身の感受性や創造性を受け入れ、発信する。また、他者の発信を受け入れる。それらに慣れる場。」※エンターテイメントとしてのインプロシアターのみの印象から、場づくりとしての側面を得たのだと思います。”
・変わらず、とっても素敵な表現方法だと思います
・インプロを勧めやすくなった。
・必要度が高まった!うちの組織ではどのようにすすめられるか。私主体で動きたい!
ご参加していただいた皆様、ありがとうございました♪
株式会社フィアレス CCO 下村理愛