職場の関係性づくりのためのコミュニケーション研修@経済産業省

こんにちは!フィアレスCOOの森です。

今回は、経済産業省様(以下、経産省)で実施した新入職員研修について実践報告をしていきたいと思います!

研修概要
対象:一般職で入省した新入職員170名
実施方法:オフライン
場所:経産省内研修施設
時間:3時間半
テーマ:失敗をオープンにする大切さを学ぶ

どうしてインプロを導入したの?

コロナ禍で同期同士の横の繋がりが希薄に

2020年から始まったコロナ禍によって、新入職員の研修がオンラインのみになるなど、一堂に会する機会がなくなったことや、仲の良い同期と一緒にお昼を食べに行くなど、普段の生活で関わっていくことが難しくなっているとのこと。

このように交流のきっかけがない中で、同期の繋がりを作ることが難しくなっていたようです。

その結果、業務上の壁にぶつかった時に、気軽に相談できる人がおらず、踏ん張りが弱くなっているなどの状況も現れているとのことでした。

横の繋がりを作る以上に、研修としての学びを

今回インプロを使った関係性作りを検討していただいた意図として、横の繋がりを作ることに加え、新しく仕事をしていくにあたっての学びも得たいという点が大きかったです。

インプロは関係性作りに非常に有効ですが、それ以上の学びがある点が特徴の一つです。インプロのワークの目的はあくまで学びを追求していくことであり、その過程でいつの間にか参加者同士が仲良くなる、関係性ができているのです。

インプロで学べること
・失敗を恐れずにチャレンジすること
・失敗をオープンにすること
・正直なフィードバック
・自己検閲
・ステイタス
・コミュニケーション
・リーダーシップ
・創造性…etc

「失敗をオープンにすること」をテーマに

今回の研修対象である新入職員の皆様は、大半がこの4月から社会人としてのお仕事をスタートさせる方々です。期待と不安を膨らませながら、この日を迎えていることでしょう。

と、同時に、仕事のやり方や仕事で大切なことについては、これから教えてもらい、試行錯誤しながら覚えていきます。

そんな時期には、下記のような行動がどの企業様でも見受けられることではないでしょうか。
・わからないことを先輩に聞いても良いのかわからず時間をかけてしまう。
・失敗が怖くて、全ての内容を先輩に聞いてしまう。
・失敗した時に、隠す、報告が遅れてしまう。

しかし、本当に大切なことは下記のような考え方であることは、社会人経験の長い方ほど納得できるところかと思います。
・わからないことは聞くしかないので、どんどん聞く。その中で自分で調べられるポイントや自分で考えるポイントを理解していく。
・年長者が全ての答えを持っているわけではない。
・失敗はなるべく早く、なるべく小さいうちに報告し対応する。
・失敗もあくまで参考情報の一つ。

経産省でも、上記のような失敗に対しての考え方を新入職員の皆様に身につけてもらいたいと願っているとのことでした。

そこで今回は、失敗をオープンにすることの大切さを体感で学ぶと共に、これからの業務に活かしていく方法や、失敗をオープンにすることに難しさを感じた時、どんな行動を取れるのかを考えていけるような時間にしました!

170名を部屋分けとオンラインで実施

今回はの特徴は、なんといっても参加者が170人という大人数であることです。

コロナの関係もあり、一つの教室に集めることも憚られます。そこでフィアレスの研修は、共通のテーマを掲げつつ、各教室にファシリテーターを配置し、教室ごとに独立してワークを実施する形式を取りました。

フィアレスの研修はインプロという即興演劇の手法を利用したものであり、大枠の流れは決まっているものの、参加者が体験している様子から即興的にワークや伝える内容を組み替えていきます。

それぞれの教室がどんな雰囲気なのかをしっかりキャッチしながら進めていけるよう、今回の形式を取らせていただくことになりました。

また、すでに業務を始めている中途採用の方等、オフライン参加が難しい方向けに、オンラインでも別途プログラムを実施いたしました。

まずは研修の目的やインプロについて紹介

研修の冒頭は、本研修のテーマやインプロについて・インプロで学びたいことなどをシェアします。

フィアレスの研修に対し、「即興演劇」というワードにびっくりしてしまう人や抵抗感を示してしまう人もいるのではないかという懸念を持たれる方も少なからずいます。

しかし実際には、研修冒頭にしっかりと説明することと、参加しやすいワークから進めていくなどの工夫をしています。結果、ほぼ全ての研修で参加者の方がしっかり取り組んでくれる状態を作り出しています。

みんな真剣に聞いてくれていますね!まだまだかたい雰囲気が残りますが、ここからのワークで徐々にほぐしていきます。

同期の繋がりを作るワークで顔と名前を一致

今回は全体で170名の新入職員がおり、4月はまだお互いを知り合うタイミングです。それぞれの顔と名前が一致するよう、名前を使ったワークに時間をしっかり使いました。

次は、それぞれの出身地などのバックグラウンドや好きなことを使ったワークで、参加者同士のキャラクター性が見えてきました。

比較的年齢が低いことや、素直で積極的なメンバーが多かったことも相まって、お互い打ち解けるのにそんなに時間はかかりませんでした。

いよいよ失敗に関するワークに突入!!

いよいよ、今回のテーマである「失敗をオープンにする」という話に入っていきます。

インプロで学ぶ「失敗」
失敗はチャレンジの裏返しである。
失敗をオープンにするとそれを笑ってもらったり扱ってもらえる。反対に失敗を隠したりごまかすと、周りが指摘したり助けたりできなくなる。
失敗をオープンにするには、周りの対応も大切。

まずは形から、いい失敗やよくない失敗の練習をしていきます。その後実際にワークを通して失敗をオープンにしてみて、体感したことを元に、みんなで学びを深めていきました。

参加者の感想
うまくっていないと思ったら途中でやめてもいいというルールでやったお話を作るゲームをやった時のこと。同じ話がグルグルしていて、みんな途中でもう一回をやろうと思ってたのに、「ここまで作ったのに」という思いでなかなか言い出せなかった。

間違えたら隣のチームに移動していくゲームで、失敗をごまかそうとしている自分を発見した

みんなが少しずつアイデアを出して一つのものを作るゲームで、みんなが受け入れてくれるので、失敗をオープンにしやすかった

各部屋でより深い学びを探求

失敗をオープンにすることを学んだ後は、ふりかえりや参加者の様子を元に、各部屋でより深い探求を進めていきました。

参加者がとても素直で素朴、リーダー的存在になる人も目立っていない部屋では、身体の使い方や仕草でその人の偉さや自信を上下にコントロールする、ステイタスについて体験しました。

面白いことを言わなければいけない、という意識を持っている参加者が多かった部屋では、検閲について扱い、変に奇をてらわず自分の思ったことをそのまま表現することの大切さを確認しました。

その他の部屋では、他者と一緒に仕事をしていく時に重要になるフィードバックについて、ネガティブなものとポジティブなものがあること、ポジティブなフィードバックだとその人の主体性が引き出されることが多いことを体験していました。

今回の講師陣は、バックグラウンドが様々なメンバーです。具体的には、普段は保育士になる学生に表現を教えている人や、小学生対象に教えている人、子役や俳優を目指す人に教えている人、医学部生にコミュニケーションの文脈で教えている方などです。

そんな個性のある講師陣が、自分の実体験や普段関わる人との比較の中でお伝えできることも、随所に散りばめられていました。

参加者の感想
自分のアイデアを他の人がつなげてくれるから、アイデアを出しやすかった

時間内にたくさんのアイデアを出すという制限が加わると、緊張して新しいアイデアが湧いてこなかった。制限によって出せるものも出せなくなることを体験できた。

ただゲームをやっていたら、みんなが新しい環境に対して漠然と感じている不安が滲み出てきた。この不安を話せてよかった。

対話形式で最終振り返り

2時間程ワークをした後は、この体験を職場に持ち帰るための振り返りを行います。振り返りは、元々用意した問いについて、参加者同士の対話を中心に振り返りをしていきました。

問1:失敗をオープンにすることは、仕事のどんな場面で大事になりそうですか?
問2:失敗をオープンにするのが難しいときは、どんな行動が取れますか?
問3:自分や仲間に対して、どんな発見がありましたか?

これまで社会人としての仕事をしたことがない方が大半なので、これまでのアルバイト経験や学生時代の経験を元に、振り返りをしてもらいました。

また、中途採用の方も数名参加されており、その方が自身の社会人経験を踏まえて行った振り返りから、学んでいる様子も見受けられました。

参加者の感想
制限をかけた方がやりやすい時と、やりにくい時があった。一概に言えないのでとりあえずやってみるしかないんだと思った。

今の場では失敗をオープンにできたけど、職場でできるかはまだ不安が残ってるなと感じた。

小さなミスなら言えるけど、大きなミスだと言いづらいなと思った。上司の前にまずは近くの同僚とかに相談するならできるかもしれない。

最初はみんな優秀だろうからとても怖く感じていたし、劣等感もあった。でも、みんな同じ人間なんだということがわかって安心した。

〇〇さんがあんなに面白い人だとは思わなかった。意外な一面が見えた。

本当に業務で失敗するという経験はこれから実際に直面していくことであり、その経験から学ぶこともかなり多いでしょう。しかし、事前に失敗に対する考え方や心構えがあるのとないのでは、学べるスピードや深さが変わってくると思います

研修後の振り返り・感想

フィアレスでは、研修が全て終わった後に、担当者の方との振り返りも行っています。

インプロのワークをしたからこそ見えてくる参加者の様子や、これから仕事をする上でポイントになりそうな点をシェアしながらディスカッションをしていきました。

外交的で、人と関わることへの遠慮は少なく、積極的に交流を行っていた。

とても素直で、学びをシンプルに吸収していた。相手を受容することや、相手のためになる行動が多くみられた。

ワークの中でリーダーシップをとるような行動が比較的少なかった。順番決めや発表者決めに時間がかかる場合があった。

リーダーシップなど、自発的な行動が苦手なのは、参加者の優しさ故かもしれないと感じた。

担当者様からの感想

今回の研修担当者の方からも感想をいただきました。

難しいことを話す時は、前提条件の違いや知識量の違いによって話ができる量が変わってしまうことが往々にしてある。しかし、今回のインプロでは前提知識がいらないので、同じ土俵に立って話ができた点がかなりよかったと感じた。

実際に失敗する怖さについては、これから業務の中でぶつかっていくことではあるが、それを体験の中で擬似的に学べるのは大きかった。

参加者は基本楽しそうで、ネットワーク形成や挑戦することの大切さも学んでいたように感じる。

体験型のワークにどう参加者がのっていくか心配な部分もあったが、フィアレスの意図にしっかり乗って交流してくれた印象を受けた。

講義系の研修では、参加者のキャラクター性までは見えてこないが、この人と合いそうだなといったキャラクターがお互いに感じられるような時間になったと思う。困った時や何かをする時に声をかけられる関係になったのではないかなと思う。

私(森)も新卒で入社した会社では、別の部署で頑張っている同期とお互いを励まし合ったり、夜一緒にサービスの勉強をしたり、週末にたこ焼きパーティをして情報をシェアしあったりしました。そして、この時間や関係性がどれほど自分を助けてくれたかは計り知れません。

今回実施した新入職員研修で作られた関係性が、これからの社会人人生の中でいきてくることを楽しみにしています!

フィアレスでは、チームビルディング+学びの時間を提供しています

今回は、新入職員向けのチームビルディング研修でした。

チームビルディングが必要な場面は、新しいチームができた時やオンラインが続いてしまった時などにも求められることかと思います。

中外製薬さまでも実施したように、それぞれの関係性を作ることに加え、そのチームで必要な学びを組み合わせて提供していきます!

また、フィアレスとしては初めて100人を超える参加者に対しての実施でしたが、経産省さまやいろんな方のお力を借りて実現することができました。

規模の大きな企業様へもご提供が可能になっておりますので、みなさまぜひお問合せください。

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