2024年度公開研修が終了!参加者の学びをレポートします

フィアレスの企業向け研修を一般向けに実施する公開研修が、今年度も終了しました!

今年は初めての2日間の連続開催。インプロでお伝えできる体験をどどどっと浴びてもらう会となりました。

講師は渡猛さん

その中で参加者の皆さんが口にしてくれた感想を元に、どんな時間だったのかをレポートしたいと思います。

自分の不安や恐怖を口にできた

初日の研修から、お芝居要素のあるワークに取り組んでいった今回。初めてインプロに本格的に取り組んだ参加者の一人が興奮気味に言いました。

「うわ〜!これを今からやるのかと思ったら手が震えてて汗だくです。本当に怖い。でも、それを今言えていること、オープンにできていることが新鮮だし信じられない」

研修では、【失敗してもいいこと】【まず自分を大切にすること】を繰り返し伝え、それが本当に実行される場も作っていきました。だからこそ、普段は「できない」「難しい」と言えないと話していた参加者の一人が、今の不安をオープンにしてくれました。

そして不思議なことに、「無理かもしれない」と吐露できたからこそ、「それでもやってみよう」という心の余裕が生まれ、実際にやってみることができます。

【できるようになるために、できないをオープンにする】【相手にYesをするために、ちゃんとNoをいう】一見矛盾するように聞こえますが、実際にこのような機能をみなさんも体験したことがあると思います。
テストで絶対にいい点数取らなくてはいけない、勉強しなくちゃいけないと思うほど部屋の掃除を始めてしまったり、仕事の資料を進めて完成させないとと思いながらメールの返信やネットサーフィンをしてしまったり、ポジティブでいなきゃいなきゃと思うほど、イライラが募ってしまったり。

今の自分の場所からしか、一歩前に進むことはできません。何メートルも先のゴールばかり見るのではなく、今の自分の場所を確認することが大切になる瞬間は意外に多いものです。

勝手に作っている自分ルールに気づいた

一人ずつ前に出て、他の人が決めたやって欲しいことを見つけていく『いるかの調教』というゲームのとき。
3人目まではどこかに移動する動きでしたが、4人目の方には「メガネを外す」というその場でできることをやってもらいました。

ゲームが始まると、見ている人がすぐに「どこかに移動するわけではない」というメッセージを繰り返し発信するのですが、3人目の方は度々移動する行動を取ったり、部屋の壁や電話などの外側のものでなにかをするという行動から探し続け、メガネを外してクリアするまでに時間がかかりました。

「動かないということは、随分早くにわかったはずなのに、前の人の例から動くとばかり思ってしまい、違う行動に移れなかった。誰に言われたわけでもないのに、自分で作ってしまう自分のルールがかなりあるんだなと思った」

「自分の勝手な思い込みだった」「自分では常識だと思っていたことが全然違った!」という経験がある人はとても多いと思います。しかし、そんな瞬間に出会えることは数年に1度くらいではないでしょうか。

しかし、たった数分のワークで思い込みの状態を体験でき、さらに思い込むことでどれだけ別の選択肢を排除しているのか、そこから抜け出すことが難しいのかをまざまざと見ることができました。

こんな体験があるからこそ、日常で「これってもしかして自分の思い込みでは?」「他に別の方法があるかもしれない」という考えを早い段階で引き出すことができます。

この方は、他にも

「わからない」って言っていいルールだったけど、「わからない」って言いたくなかった。言ってはダメだと思う自分がいた。

「普段どれだけ自分を偽って過ごしているんだろうと思う。素直になることができていないんだとわかった」

など発見をしてくれました。大きなテーマが『自分に素直になること』『自分ルール、決まりごとに気づく』だったのだと感じました。

目の前の人と関わる、ができていないことに気づいた

二人でシーン(お芝居)をやっている中で、【相手が今ここにいない】と思ったら相手がかぶっているハットを取る、『ハットゲーム』というものをやった時、こんな発見をしてくれる人がいました。

「自分としては、渾身の面白いセリフを言えた瞬間にハットが取られました。何か自分が仕掛けようとすると、相手のこととかが蔑ろになっちゃうんだなと思いました。

さらに、こんな風に続けてくれます。

思い返すと、1日目にやった別のシーンでは、お客さんのことを感じられてなければ、自分と相手のやっていることも見えてなかった。「じゃあ一体自分は何を見ていたんだろう?」と不思議に思ったけれど、あの時は頭の中で未来のこと「次にどうするか」とかを考えていたんだなと気付きました。仕事をしていて、先のことを考えることでスムーズに行くこともあるけど、それだと今目の前の相手とか自分とかがこぼれ落ちて来るんだなとわかりました。

相手の話を集中してちゃんと聞けているのか、自分のエゴではなく場に貢献するためにそこにいることができているのか、それができないことで取りこぼすものがどれだけあるのか。客観的に捉えることは、とても難しいことだと思います。
人はみんな、「相手の話を聞こう」と思って聞いていることが多いからこそ、聞けていない瞬間は気づきにくいものです。

しかし、インプロゲームは事実をまざまざと見せてくれます。そして、その事実が笑いを起こしてくれるので、受け取る側も最小限の痛みで、時には喜びと共に受け入れることができるのです。

今回の気づきは、2日間を通したからこそ到達できたものでもあります。一つの概念に対して、さまざまな角度から体験でき、発見のチャンスが常に生み出されているコンテンツであることと、その発見を勇気を持って掴んでくれた参加者に感激しました。

同じゲームから、今自分に必要な学びを受け取っていく

今回は公開研修という性質上、普段別々の場所で働く、業種も年齢も立場も違うメンバーが多数集まり、研修として「これを学んでもらう」といった明確な目標を作ることなく開催をしました。(もちろん、おおまかな方向性や主催として参加者が学べるといいなと願うものは持っております。)
にも関わらず、むしろだからこそ、参加者の皆さまそれぞれが得たい学びや知りたいこと、自分なりのチャレンジを成してくれました。

同じゲームをやっても、それに対する反応も異なれば、気付くことも違います。インプロ歴5年の私も参加していて、改めて知る自分の一面がありました。

インプロ研修の価値と、その面白さとを参加者の皆様に改めて教えていただいた2日間でした。ご参加いただいた皆さま、本当にありがとうございました!

今回研修に参加してくれた、作業療法士の古賀さんが、参加者インタビューに答えてくれました。個人的にどんな時間だったのかを、より詳しく教えてくれています。
興味のある方は、ぜひ資料請求ページからご覧いただけます。

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